ご挨拶
東北大学病院臨床研究推進センター
バイオデザイン部門ウェブサイトにようこそ!
中川敦寛
東北大学病院 教授
産学連携室長
デザインヘッド
東北大学副理事
(国際共創担当)
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東北大学病院ベッドサイドソリューションプログラムの発足と歩み
当部門は2013年に冨永悌二前部門長の下、“Welcome to Bed Side & Brain Storming”のコンセプトの下に発足し、その前から続く3年におよぶ制度設計期間を経て、2014年3月に東北大学病院ベッドサイドソリューションプログラム(アカデミック・サイエンス・ユニット【Academic Science Unit:ASU】)を開始しました。医療現場をend to endで開発研究に携わるあらゆるみなさまに開放し、当院にかかわるさまざまなステークホルダーとともにクリニカルイマージョン、ブレインストーミング、そしてネットワーキングを3つの価値として提供しています。ここでは、“言語化すらされていない”ペインに気づくことからはじまり、デザイン思考などを用いて、“事業化に資する課題”の把握とその解決のためにどういった有効性、安全性、コスト、使い勝手、といったクライテリアを越えねば購入者に響かないかを明確にし、製品やソリューションの提供事業のコンセプトを明らかにすることに取り組んでまいりました。これまで10年間(2014年~2024年)で、69社、1700名以上の方が6か月のプログラムに参加し、製品化の成果も出てきております。
進化する医療イノベーションプログラムと未来医療人材の育成
私たちはニーズに応じて、プログラムを変化させ続けております。インフラ面では、2019年には「ASUで出てきたコンセプトの実証を医療従事者と医療現場で行いたい」の声に応える形で課題解決の実証フィールドであるオープン・ベッド・ラボ(OBL)を開設しました。また、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)を含めた実証や3Dプリンティングを用いたプロトタイプでテストするためのデジタルヘルステストラボを2018年に設置し、人材面では、臨床現場の観察の生産性を向上させるために看護師でデザイン思考に精通したクリニカルスペシャリストの現場観察アテンドサービスを開始したほか、デザインヘッドとアカデミアならではの様々な専門家によるビッグプロジェクト開始時の全体デザイン(holistic design)の支援や、デザイン思考のブートキャンプ(ワークショップ型の研修)なども行っております。更に、2019年には株式会社アインファーマシーズ様のご支援で未来医療人材育成寄付部門が設立され、スタンフォード大学やカーネギーメロン大学などを含め、国内外から2024年時点で累計33名のインターンがここで展開されるプロジェクトに参加する形で活躍しております。多くのご関心をいただいていることもあり、今後さらにインターン生の受け入れの拡大を検討しています。
多分野に広がるASUの挑戦とグローバルイノベーションネットワーク
ASUの参加企業は当初は医療機器分野を想定しておりましたが、別途産学連携室(Experience Design and Alliance Section:EDAS)で行っているコンサルテーションと合わせ、これまで参加されてきた企業は創薬・製薬、材料化学、ICT、精密機器など多分野に渡り、さらには衣食住やロジスティックスを含め大きくヘルスケア系にも広がってきております。
最終的には私たちの組織自体の目的が社会課題の解決と経済的規模を併せ持つビジネスの創出になりますので、それを目指して世界7都市を中心としたイノベーションネットワークを含め、提供価値も変化させて行きます。みなさんと一緒に「これが欲しかった!」を創り出すことを楽しみにしておりますので、是非お気軽にコンタクトください!